ショッキングな出来事だけがトラウマになるとは限らないのです

ココロとカラダ

皆さんは「トラウマ」と聞くと何を連想しますか?

多くの方は、戦争、災害、虐待、レイプ・・・など、トラウマを引き起こしそうな出来事を連想するかもしれません。

「トラウマ」は心の傷として表現されることもあるので、心の問題として理解されている方が多いと思うのですが、実は、トラウマは、なんらかのストレスに対する身体の自然な反応が解消されることなく心身に留まっている状態を指します。

そして、なんらかのストレスというのは、もちろん、戦争や災害など大きな出来事かもしれませんが、本人が感じるストレスなので、非常にショッキングで命に直結する出来事ばかりとは限りません。

なんらかの理由で親に受け入れてもらえなかった、兄弟と比較された、親のぐちをいつも聞かされた、あるいは、友達に無視された・・・など、これまで生きてくる中で、もしかしたら、一見、忘れ去られてしまうような出来事だったりする場合もあるのです。

そのため、多くのクライアントさんは、自分がトラウマを抱えている、今の生きづらさや苦しみはトラウマが原因と思いにくいのです。
そのため、人とうまく関われなかったり、忘れ物が多かったり、毎晩のように嫌な夢を見たり、ものすごく嫌な感覚に陥り自分を傷つけたりしても、ただただそんな自分を責めてしまう方もたくさんいるのです。

トラウマの原因は「本人の感じるストレス」なので、カウンセリングの中では、「どんな出来事が起きたのか」はあまり追及することはありません。

クライアントさんにとって、辛い体験を語ることは、再び、その出来事を追体験することにもなってしまうので「何が起きたのか」よりも、その出来事に「どう反応したのか」を重視しています。

でも、トラウマから回復するには、「これさえすれば確実に良くなる』や「何回、行えば楽になる」というものは残念ながらありません。

(むしろ、短期間で劇的に回復する方が危険)

カウンセラーと信頼関係を築きながら、少しづつ少しづつ自分の身体の感覚に向き合っていくので、一見、地味な作業ですが、地道に続けていくことで少しずつ、少しずつ楽になっていきます。

そして、一番大事なのは、「癒されたい」というクライアントさんの意志だと言えます。

自分を癒すことは自分にしかでいません。

最初は、勇気がいることかもしれませんが、「今より楽になりたい」、「生きづらさを手放したい」と強く願うことが、トラウマから回復するための一番の原動力になっていくのです。

何かしらの生きづらさを感じているとしたら、もしかしたら、自分のせいではなくトラウマが影響しているかもしれない・・・という視点もあるということを知っておいて欲しいなと思います。

それでは、今日も1日、ココロもカラダも笑顔でお過ごしください🎶

カウンセリングオフィスSORA
   杉山つぐみ

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