それは、「善意」なの?「当たり前なの?」

ココロとカラダ

「どうしたら人間関係がうまくいくでしょう?」
そんな質問を受けた時、うまくいくコツとして「境界線」のお話をすることがあります。

「境界線」とは、人間関係における「線引き」のことです。
具体的には、他者との関係において、自分がどのように反応したり、振舞ったりするかということなのですが、この「境界線」を上手に引けることは、人間関係を楽にするコツの一つなのです。


わかっているけれど、でも、うまくいかない時も・・・
そんな私の出来事をシェアしたいと思います。

先日、私が「親切」でしていたことが、相手にとって「当たり前」になっていたという出来事がありました。
私としては感謝されたいとか、そんな気持ちはなかったのですが、でも、なんとなく違和感を感じたのです。
その違和感って何だったのでしょう・・・


夫婦関係や友人関係など人間関係において、このような場面はよくありませんか?
こんなところにも「境界線」がかかわっているのです。

私の傾向として、相手が困るかもしれないと思うと、先読みしてあれこれ色んなことが気になってしまい、つい、口も手も出てしまうところがあります。
対人援助職あるあるですね・・・
でも、これってどこかで相手との境界線が曖昧になっているのかもしれません。
言ってしまうと、お願いされたわけでもないのに、勝手に先回りしてしまっているからです。
自分の領域と相手の領域しっかり分ける必要があったなと改め反省。

また、自分が逆の立場だったら・・・
最初は、「うれしい」、「ありがとう」の気持ちでも、次第に「当たり前」に思っていることってあるかもしれないなと思いました。
これもまた、境界線が曖昧なんですよね。
自分のことなのに相手にゆだねているのですから。
もちろん、生身の人間同士の関係性の問題なので、きっちりとした線引きは難しいかもしれませんが、そんな時こそ大事になってくるのが、自分のことのために時間や労力を割いてくれていることへの「謙虚さ」なのではないかなと思います。
それがあれば、「当然」とか「当たり前」なんていう考えにはならないのです。

自分の領域なのか相手の領域なのか意識するだけでも、出来事への向き合い方も変わってくるのだろうなということを改めて実感した出来事でした。
私たちは、子育ての問題や介護の問題、職場での仕事など、人との関係性の中で取り組んでいかなければいけないことがたくさんあります。
だからこそ、誰の領域のことなのか、そのことに対する責任を負うべき人は誰なのかという境界線を明確にしておくことは大切なのではないでしょうか。
そして、日ごろからのその小さな積み重ねが相手との関係性をうまく築いていくコツかもしれません。



私が今回感じた違和感について、色々考えた結果、相手が「当たり前」と思うことで、私の「義務」になってしまうことが嫌だったんだということに気づきました。
つい、先回りして色々なことが気になってしまう方、
相手が困るだろうと思うと頼みごとを断れない方、
それは誰の領域なのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

今日も一日、ココロが笑顔で過ごせますように!

杉山 つぐみ




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