モラハラに気づけない理由

ココロとカラダ

人はトラウマを抱えると、自分自身の価値を見失ったり、他者からの攻撃的な言動に対して鈍感になってしまうことがあります。
そんな時、何が起こるのかというと・・・
モラハラ(モラルハラスメント)を受けていても、その事実に気づけない、または気づいてもそれを問題視できないという自体が起こってしまうのです。

今回は、なぜトラウマがモラハラへの気づきを妨げるのか、その原因と解決へのヒントについて考えてみたいと思います。

1. トラウマとモラハラの密接な関係

過去に心の傷を負った人は、その経験から「自分は愛される価値がない」と感じてしまうことが少なくありません。このような自己評価の低下は、他者からの否定的な言葉や行動を「自分が悪いから」と無意識のうちに受け入れてしまう原因になります。

また、トラウマが引き起こす「自己防衛」の一環として、無意識に感情を麻痺させてしまうこともあります。この状態では、相手の攻撃的な言動やモラハラに対して鈍感になり、問題だと認識することが難しくなってしまうのです。
モラハラ加害者がしばしば行う巧妙な操作や心理的な攻撃に気づかず、「これは自分のせいかもしれない」「もっと頑張れば解決するはずだ」と自己責任に感じてしまうことも。

2. 自己評価の低下が認識をゆがめる

トラウマによって自己評価が低下すると、他者からの否定的な言葉や批判を「当然のこと」と感じてしまいます。「自分はダメな人間だから、こう扱われても仕方がない」と感じることが、モラハラに気づくことをさらに難しくさせます。

また、トラウマを抱えた人は、他人に助けを求めることに対して強い恐怖心を抱くことがあります。過去に傷ついた経験から、「誰も自分を理解してくれない」「自分の問題を話すことでさらに傷つくかもしれない」と思い、黙って耐え続けてしまうこともあります。

3. モラハラの兆候を見逃しがちな理由

モラハラは、初めから露骨に攻撃的な形で現れることは少なく、少しずつ相手をコントロールする形で進行します。そのため、特にトラウマを抱える人にとっては、モラハラが徐々にエスカレートしていく過程を「ただのコミュニケーションの一部」として見過ごしてしまうことがあります。

また、加害者が最初は優しい態度を見せたり、相手を混乱させるような言動を繰り返すことで、被害者は「もしかしたら自分が悪いのかもしれない」と思い込んでしまうこともあります。このような心理的な操作は、トラウマを抱えた人にとって特に有効であり、モラハラに気づきにくくさせる要因の一つです。

4. モラハラに気づくための第一歩

トラウマを抱えた人がモラハラに気づくためには、まず自分の感情や反応に注意を払うことが重要です。「自分が今感じていることはおかしいのではないか?」と自問することが、気づきの第一歩です。

また、信頼できる人に話すことも非常に効果的です。第三者の客観的な視点を通して、自分が置かれている状況の異常さに気づくことができる場合があります。カウンセリングを受けることも選択肢の一つです。専門家の助けを借りることで、モラハラの実態に気づき、対処法を学ぶことができます。

5. サポートを受けることの大切さ

最後に、トラウマやモラハラに対処するためには、周囲からのサポートが欠かせません。一人で抱え込むことは、問題をさらに深刻化させる原因となります。家族や友人、専門家に助けを求めることで、少しずつ自分の心を解放し、モラハラに立ち向かう力をつけることができるはずです。

それでは、今日も一日、ココロもカラダも笑顔でお過ごしください🎶

カウンセリングオフィスSORA
    杉山つぐみ

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